もよおす百合マンガ「メバエ」の紹介
※断り書き※
私自身はどんな出版社、作者、編集者などとも関わりを持たないただの趣味人間であるということをここに明記しておきます。
記事の中身の情報は公式発表のものも含みますが、一部私の私見が交わった情報もあります。
以上二点、断り書きでした。
タイトル通りの記事です。もうすぐ第四号が出ますので、一ファンとしてこの機会に「メバエの紹介」でも出来ればと思いまして。メバエはどういう雑誌か、そしてメバエの最新号vol.4はいつ出るのかを書いていきます。
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2015年5月単行本一覧まとめ
もうすぐ4月が終わり今年も1/3が過ぎようとしています。色々面白い漫画や変な漫画が出ましたね。自分なりに今年の漫画や今月の漫画出たのはこちらでまとめてますので参考になればと。
それはさておき、来月も色々な新刊が出ます。今回もまとめてみました。
相変わらず手作業ですし自分一人で作っているので「シリーズなのに巻数表示がない」「出版社が違う」「作者の名前が違う」「発売日が違う」とかはご容赦ください。
(アバンチュリエがまるで一巻終わりみたいな扱いですがシリーズ物4巻目です)
今回の注目したい新刊は比較的少なく、一ヶ月全部で40もいきませんでした。
前半戦は注目の新気鋭作家たちが固まっていますが、やや今月の新刊はパワーダウンしている印象。マイアニマル、ポチクロなどジャンプ+作家や、マッグガーデンの小西幹久先生、アキリ先生のストレッチや小山先生を筆頭としたゲッサン打線があるのが救いでしょうか。
平常時ならこのくらいの新刊でも十分に多いのでしょうけど、今年は異常なまでに豊作な月が続きましたからややボリュームに欠ける。三カ月連続で二桁以上買うような年でしたので。
ジャンプ+、ゲッサン、コミックブレイドの新刊が安定でしょうか。
この辺りでびっくりドッキリルーキーを紹介するとすれば、やはりsattou先生のカニライフ。謎四コマのごり押しはパワープレイとかそんなチャチなもんじゃねぇ...。今年一番の瞬間最大風速だと思います。
続いて後半戦。
(はやブレの作者は林家先生です、セルの結合を忘れていた)
後半もマッグガーデンの新刊は優勢ではありますが、ももたまもロキもこれにて完結。マッグガーデン全体で連載のパワーダウンが激しい気がして少々不安です。
ここで注目したい新刊は、ストロベリーシェイク、ドードーマ、低反発リビドー、お尻触りたがる人なんなの、お姫さまのひみつでしょうか。
林家志弦先生のストロベリーシェイクsweetがウルジャンから出る...のでしょう、たぶん。そこに森永みるく先生の百合漫画も加わって中々女の子充できますね。
今後気になる新連載、ということでドードーマと低反発リビドーが気になりますね。
ドードーマ、ぶっちゃければ進撃以降の外の世界に飛び出てその荒波にもまれる系統の感じなんですが、画力は十分に高く設定類も作者の癖を感じる中々良い連載だと思います。こちらから一話まるっと試し読みが可能です。
以上のものを抑え、今月一番に注目したいのは「低反発リビドー」ですね。そして位置原光Z先生の「お尻触りたがる人なんなの」の二本。この二作揃いも揃ってニッチな性癖だのフェチだの語ってくれてるので凄くいいんですよね。
特に低反発リビドーはweb連載なので結構読めるんですけど、さらりと進む話のテンポに呑まれるのがきもちいいですし、こと位置原先生のは顕著ですけど作者の趣味全開なのがまた面白い。
いやーニッチだなーお前ら好きだなーとか言いながら読めるのでいい作品です。「彼氏の鎖骨や肋骨がえろい」「酒を飲む時はアパートの空き部屋に不法侵入して飲むのが最高」とかそういう話が読めます。
ニッチ性癖会話をテンポでこなしてくれるのは位置原先生もそうですし、中々この手のやつ好きなんですよね。面白いですしキャラクターの個性や性格が出るので興味深い。
web連載は色々自由な気風があって面白い。コミックぜにょんはそも出版が自由な感じあるので余計に面白いですね。
今月もなんだかんだと良さそうな新刊がありますね。あと三カ月で上半期が終わりますが、漫画どんなの出るか楽しみですねー。
アルジャーノンに花束をのドラマ感想
昨年死去されたダニエル・キイスの名著、「アルジャーノンに花束を」を原作とするドアラマ。主演はNEWSの山下智久さん(通称山P、で良かったんでしたっけ)。
アルジャーノンに花束をのドラマ化ではありますが、日本の人に向けた再構成バージョンと言ったところでしょうか。もちろん舞台や登場人物は日本人、それでいて原作の要素はしっかり踏襲しており原作を損なうことなく映像化できているのではないかと。
骨組みは同じであれ、肉のつき方が違う作品に仕上がっています。なので今回は原作との違い、ドラマの長所短所などを個人的に書いていけたらと。
私自身ドラマには明るくないですし、芸能人の方も多くは知りませんので、キャストの話は全てカットで。
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今期アニメを見始めた感想
季節も変わり春。アニメも冬アニメが春アニメのクールに突入しましたね。
今更ながらですが今期アニメを見始めまして、二本見たのでその感想でもと思いまして。感想(チラ裏)であり、まだ見てない人への紹介もできたらと。
1.プラスティック・メモリーズ
プラスティック・メモリーズ 1【完全生産限定版】(イベントチケット優先販売申込券付) [Blu-ray]
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あらすじ。
心を持ったアンドロイド<ギフティア>の普及した少し未来の世界(だと思う)。
ギフティア事業を世界規模で展開するSAI社に就職した主人公(実は就職に失敗してコネ入社)、ターミナルサービス課...ギフティアの回収を担う部署へと配属される。
ギフティアは九年ほどで記憶や人格に破綻をきたすため回収が必要だとか。そこではギフティアと人間のツーマンセルで回収事業を回している。
ところが主人公と組むギフティアがいない。そこで相棒として白羽の矢が立ったのは、ギフティア回収数ナンバーワンだったが今はお茶組みなどの雑務を担当しているアイラだった。
相方も決まったものの二人を待ち受けるのは...ギフティアと家族の思い出を引き裂く仕事だった。
オリジナルアニメ作品です。心を持ったアンドロイドと人間の感情のやり取りをメインにした感動作品と言った感じでしょうか。
キャラクターも可愛く、雰囲気も出ている作品です。
- 見どころ
まずキャラクターが可愛い、声優さんたちも今をときめく(やや死語だろうか)方を起用されています。可愛いキャラクターたちの織りなす時に可笑しく、時に哀しい、そんな感情に洗われる作品と言って良いでしょう。
雰囲気物としても中々に及第点で、恥ずかしながら一話にして少し泣いてしまいまして。ギフティアたちはいずれ寿命がきます。それを回収しなければいけない、つまるところ家族との仲を引き裂くことになる。その哀しさもしっかり描写できています。
売り出したい方向性と内容がうまくマッチングしているので、キャラクターから入っても、雰囲気物として入っても面白い作品となっているのではないかと思います。舐めてかかると、小気味良いギャグやキャラクターたちの感情の波に足を掬われます。
しかし、その奔流に身を任せるのも悪くない。見切った時、今度は自分の感情の津波に自分自身が溺れてしまうことになるのではないかと。
- 弱点
この作品の設定...たとえばギフティアなどにはオリジナリティが、もっと言えば必然性はありません。友人曰く、「この作品ができるまでの時間軸や歴史はない(大意)」そうで。その通りだと私も思います。
心を持ったアンドロイド、言葉だけ聞けばSF的ではありますが、ジャンルはあくまで雰囲気物。メインはキャラクターたちのやり取り、ギフティアには寿命があるということが重要です。
ギフティア、心を持ったアンドロイドである必要性、必然性は皆無。ギフティア(出てくるキャラクターの一部)は普通の人間より短命であるという言い訳が必要なだけで、事実描写としてもアンドロイドであることなどは意味を為しません。命が九年もすれば終わるもの、そのためのエクスキューズです。
また世界の描写など、主人公たちを取り囲む要素も全て意味を為しません。そのため歴史も、世界も、何も作品には影響しません。というかそもそもありません。
すべてはキャラの話に終始するでしょう。雰囲気物を食いあきた人間、世界を見たい人間、作品をまるっと全部楽しみたいという人には不向きなのではないかと思います。
心を持ったアンドロイドなのだから、アンドロイドの人権を主張する人間たちくらいいてもいいものではないかと思います。しかしそんなものはない、ロボット三原則なども一切出てきません。なので間違ってもSFとして見るのはお勧めできませんね。
あともう一点、割とアンドロイドであるにしても、主人公が素人であるにしてもやや描写がおかしいシーンがある。なので本当にアンドロイドは言い訳なんだな程度の見方ができなければ一気にシュールさが増します。
- 総評
ギフティア(アンドロイド)と人間との少し悲しい物語、そう言った雰囲気の作品としてはかなりベター。入門にも良いのではないかと。悪くはない。端的に言えばキャラ物&雰囲気物。
キャラクターに終始すれば良い物語ではあるが、作品の世界観であるとかアンドロイドと人間の種族さを掘り下げるかどうかなど、そこらへんの魅力に関しては突っつくだけ時間の無駄でしょう。
2.血界戦線
血界戦線 第1巻 (初回生産限定版)【イベント優先販売申込券付き】 [Blu-ray]
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あらすじ。
3年前ニューヨークだった都市は、現在、異界と現世の交わるヘルサレムズ・ロットという霧に覆われた街に変わっていた。この2つの世界が交わる魔都において、世界の均衡を保つ為に暗躍する秘密結社・ライブラが存在した!(公式サイトの前回のあらすじより引用、ジャンプSQ.2015年5月号時点)
かの、トライガンで名を馳せた内藤泰弘の新作がボンズの手によってアニメ化!
今度の作品は、異世界と現実世界の交差点、元は紐育と呼ばれていた都市ヘルサレムズ・ロットを舞台とするファンタジー。
非日常が日常の都市で、異常なほど平凡な人間のレオナルドはひょんなことからライブラに入ることに。
レオナルドの非日常は加速する!メーターを振り切る心地よい内藤イズムに酔いしれろ!
- 見どころ
はっきり言って、全てです。映像、キャラクター、キャスト、音楽、雰囲気、面白さ、全て自分からすれば太鼓判の大盤振る舞いです。冗談抜きで最高のアニメに仕上がっていると思います。
映像で言えば、内藤泰弘独特の描写を映像でも尊重した上で作られています。テレビから流れてくるキャスターとコメンテーターのやり取り、ピザの配達、必殺技を叫ぶシーン、随所に内藤氏リスペクトが盛り込まれており、内藤先生ファンは大満足ではないかと。
キャストや音楽に関しても、手放しで評価ができます。ここら辺は宣伝などの兼ね合いもあるのですけど、しっかりと実力のある方を違和感のない役にキャスティングしています。ツンデレキャラでない釘宮さんが聞けたのは嬉しいですね。坂口さんに関してもそうです、以前やっていたキャライメージにキャスティングが引っ張られることも間々ある中で違和感ないキャスティング、感銘いたしました。
音楽に関してもユニゾンスクエアガーデンなど有名バンドであるものの作品の内容にマッチングした音楽があがっています。エンディングは特に大好きですね。
非日常の日常、小気味良いギャグ、言葉だけでなく行動でも見せる描写や説明、全てグッド。それでいて内藤先生らしさをしっかりと出せているので文句なしの出来だと思います。
- 弱点
アニメや漫画でもいいですが、メジャー作品をメインとして摂取してきた人にはやや不向きな作品であるのではないかと。そもそもの設定の、ファンタジーと現実の交差点というのが感覚で掴める人でなければ中々に置いてけぼりになります。
誤解を恐れず言ってしまえば、咀嚼、解釈能力がない人...作品を見ながらタイムレスに情報を符号させることができる人でなければ途中下車かジェットコースターに乗っている感覚ではないでしょうか。
なぜかと言えば言外の情報があまりに多い、描写がさらっとしすぎているので置いていかれる、そういうことだと思います。
多くの作品は分かりやすく作ってあります、この作品も例外ではありません。ただしその説明のベースは青年誌に読み慣れた人向けである印象です。読んできた/見てきた作品のベース世界が異世界か現実世界かの二択しかない人には説明不足に感じられます。その二択の中間点、なんとも曖昧なところに舞台を置いている訳ですから。
他にも能力、世界、重要ワードなどのそれら断片情報を瞬時に符号することが間々求められるのではないかと。普通、作品の中で特定のキーワードが出てきた際に説明が薄ければ「今の単語何?」と疑問に思います。しかし世界観と照らし合わせれば答えは見えなくもない、けれどそんな風に頭を使う必要性は通常の漫画やアニメではありません。なのでこれを持ち得ないのも普通かと思います、なのでややハードルは普通の作品より高い。
これは友人たちの談ですけど、いろんなキャラクターが出てきたり出来事が起こったりするので焦点が合わせにくいとのことで。
しかし映像は素晴らしく、キャラクターたちのやり取りも大変に面白いものです。分からなくても、流しで見ることは不可能ではないかと思います。実際に知人がやっていたようなので。
ただし情報のパッチワーク、ありのままを是認するスキルに長けるのであれば、この弱点は一気に魅力と化します。
- 総評
やや視聴者にとってはハードルの高い作品。スルースキル、情報を照らし合わせるスキルなどが求められるかも。
しかしそれさえクリアできれば、魅力が一段とあがる作品。
個人的には最高の出来だと思っているのでぜひ見てほしい。
そんな感じでした。他にもまだ俺物語なども気になっているのでチェックしたいですね。映像作品としては今ドラマでやっているアルジャーノンに花束をも一話見たので、後日その感想でも書けたらと。
四月に入って大変いい映像作品に出合えているので嬉しい限り。春は出会いの季節というのは本当ですね。
春、四月と言えば今月末は自分の好きなメバエの発売日なので、個人的な特集記事でもまた後日書けたらなと思います。
今回はこの辺で。
間接表現のススメ
ショートカットの女の子が好きです、ショートカットの女の子の毛先ペロペロ。頭のネジでも飛んだか?と思われるんですけど違うんです、毛先の魅力がここまで焚きつけるだけなんです。
毛先だけでなく、雨粒、手、など様々なものが作品の中で自分を魅せてくれます。それらによって輝くちょっと迂遠な表現の手法...それを間接表現と自分は呼んでいます。
- 間接表現について
突き詰めた言い方をしてしまえば「間接的な感情表現」というもの、いやぁこれが大の好物でして。
普通なら「悲しいという感情を見せるために涙をキャラクターに流させる」というのを、「大粒の雨を降らせ涙を断定できないように(または見せなくていいように)する」など。やや直接的なシーンでしたけど、鋼の錬金術師でマスタング大佐とホークアイ中尉がヒューズ准将墓の前で「いかん、雨が降ってきたな。「雨なんて降って...」「いや、雨だよ」とやり取りをするシーンがありますよね。あれなんてその一つだと思っています。
他にも「窓ガラスに映り込んだキャラクターがガラスの外を伝う雨粒によって涙の代わりとする」とか、「「表情を一切映さず手だけで感情の推移を表現する」とか、そういうものが大、大、大好物です!
- 魅力
そもそも私はキャラクターの感情というものが大好物なので、カタルシスであるとか、キャラクターに圧し掛かる試練であるとか、選択を迫られたものが大変に好きでして。ひっくるめて言えば感情の奔流が大好きなんです。その感情、エモーショナルな情熱を、胸の奥に秘めた感情の発露をふとした瞬間に垣間見る、そこに浪漫があるんですよ...。
そして感情の発露には他者というものがある場合も多々あります。主人公の親友、ライバル、または仇敵...やり取りの中で膨らんでいく、育まれていく感情の温度。最近で言えば、僕のヒーローアカデミアの一話の終盤なんていい例だと思います(公式で読める)。
そういう感情表現の一つの技法として、あまり注目されないけれどあるのが、間接表現だと思ってます。
その感情を上品に包み込んで咀嚼し味わえるこのなんともいやらしい(褒め言葉)手法か!他者とのやり取りで、この二人だからこそやれる表現技法でもあると思います。それこそ、ハガレンの先にあげたシーンが典型例であるように。
踏み込む踏み込まないは別として、相手の隠そうとしていることを察した上で行動するという、オリジナリティがそこに生まれます。その二人、この人でなければ為し得ない感情の発露...それが間接表現の魅力であると私は思います。
- 間接表現の性質
上記の物を踏まえるとどうしてもこの手の表現は物事の端に集中します。動作であるとか、感情発露の中心を見せない=その周囲を見せることで受け手に外堀を埋めさせる...。なので手、口の端、目じり、足、自然物(雨や風)などを多用します。そのため私は毛先、特に映りやすいのでショートカットの毛先というものは大変にテンションがあがります。アイドルマスターで雪歩、前川みくなどが作品の中では毛先に感情を乗せるということに一役買っていますし。
表情全体を見せないのであれば、口元だけを映すなど視点をずらす。また逆に表情全体を映すことも間接表現と言えるかもしれません。心に持った感情を見せないために、わざと表情でずらす、そういった手法もまた間接表現と言えましょう。
人単体にクローズアップするなら天気などもいい視点のずらし先と成り得るでしょうね。
要は「中心点を直接見せず、輪郭を見せることで輪郭線の内側を想像させる」という手法です。
そのため少し見方が分からないと楽しめませんが、分かるようになると身悶えすることができます。大人の味とでも言っておきましょうか。
- 間接表現のある作品
探せば正直きりがないと思います。定義も曖昧、ぶっちゃければ「君が感じたらそれは間接表現だドン!!!」みたいな感じなので。
しかし参考程度に色々あげていってみようと思います。
1.シギサワカヤ/さよならさよなら、またあした(新書館:ウィングス)
自分の間接表現の礎となったカヤ先生の作品。モノローグも多くいってしまえば誰に勧めたらいいか分からない恋愛作品が多い中で、これは真っ当な話で内容も掴みやすい良質な作品。
カヤ先生の持つ女性キャラクター、男性キャラクターの魅力がふんだんにあしらわれており、純粋にお話で見た時も面白いのではないかと。
さて今回間接表現として正直勧めにくいカヤ先生をプッシュせざるを得ないのですが、侮るなかれ。最後の数ページで貴方は飲まれることになる。
感情表現として間接表現という手法は、いくつかの応用ができます。その一つが前座としての間接表現。少年誌や様々な作品などで使われる感情の爆発を、視覚情報のみでここまで高めた作品というのも中々ないでしょう。
少々探すのが手間な作品ではありますが、読んでみて損はないかと。
間接表現度:大
純粋お勧め度:中
2.THE IDOLM@STER(アニメ)
いわずもがなでしょう。アイドルマスター(765プロ)のアニメです。
ストーリーやキャラクターなども初心者にも入りやすく、既にプロデューサーの人にも嬉しい形で捨てるところなしのアニメでした。
まぁ中身に関しては百聞に一見に如かず、というより既に見ている方の方が多そうですけど。(自分は今年に見ました)
さて、この作品にも実は間接表現が時折盛り込まれています、本当に時折だったと思いますけどね。
その他にも時間経過のさせ方であるとか細々したところや、一話一話の話の構成の妙など、見どころはたくさんです。
間接表現度:低
純粋お勧め度:特大
「作品を挙げるなら三つくらいあげないとなー」なんて思ってたんですけど、他になにか間接表現に秀でたのあったかなと考えるとぱっと思いつかないのでこのくらいで。
- 最後に
間接表現にこれという基準はありませんし、今回書いたのも自分の中の基準でしかないです。
更には、今回私は「間接表現は感情表現の一つ」と言いましたが、大枠で見てしまえば代替表現の一種でもあります。なのでシガーキスも具体例になり得る。
「こういう感情表現がいいんだよ!」ってのを伝えたいがために少々定義を限定しましたけど、もっと言ってしまえば代替表現であるのですから。
少々分かりにくい表現ではありますが、一つの見どころとして抑えておくと作品を見る楽しみが増えるかもしれません。
そういった創作物を趣味とする方に新しい視点を提供できたのであれば幸いです。
なのでショートカットの女の子くださいペロペロ。
受け継がれる血脈
大それたタイトルになりましたけど、ジャンプSQ.19の連載移籍などの経過をまとめた記事です。
先日発売されたジャンプSQ.19は、18号を以て休刊(廃刊、ではないように思う)することと相成りました。19を超えることはついぞなかった...。
さて、ここで問題なのが「19の連載をどこに引き継ぐか?」
以下のリンクが、最終号となった19の連載陣たちです。
連載の数はさほど多くはなく、卓球少女の漫画、終わりのセラフのスピンオフ、青エクのスピンオフ、血界戦線、リビドーハンタータケル程度だったと把握しています。
姉妹誌がなくなるときどこに移籍されやすいか、もちろん本誌。今回もその例に漏れず、移籍先となる本誌の発売での告知と相成りました。
- 19の連載の現在状況
朝野やぐら「灼熱の卓球少女」:打ち切り?
丈山雄為「リビドーハンタータケル」:打ち切り?
原作スタン・リー、作画武井宏之「機巧童子ULTIMO」:本誌に移籍。
原案・監修/加藤和恵 漫画/佐々木ミノル「サラリーマン祓魔師 奥村雪男の哀愁」:本誌に移籍。
以上のような具合になっています。
- 今後のSQ.への期待
SQ.19の血界戦線などが合流しパワーアップ、欠けていたメディア展開力も補填したのは大変いいことだと思います。
しかし以前雑誌としてのパワーは低め。以前売れた作品のスピンオフや既存連載が長く残留しているので、メインの連載というより遺物という印象が強い。
しかしくずしろ先生を始めとする新連載の方々は枠に収まることなく自由な連載をこちこんできてくれているようなので、まだまだ芽はあると信じています。
ただ既存連載が連載枠を圧迫している今、今後の展開が明るい!と手放しに言えるわけでもない印象です。
中々嫌いではない雑誌なので、今後も長く続いてほしいと願うばかり。
長く続いてくれるためにも、連載強化なり、雑誌の方向性を決めるなり、編集部には期待しています。
青春カムバック
先日買ってきた漫画を読み終わったのでその感想でもと。今回は福地翼先生のサンデーの連載、「サイケまたしても」と、相田裕先生のビッグコミックスピリッツの新連載「イチゴーイチハチ!」、両作品ともに一巻までの感想です。
どちらも小学館の打ちだしてきた大型連載だと思っております。今年出た作品の中で、この二つの安定感はすさまじいものがあります。浮ついた物語ではない。逆に言えばはっきり言って地味な作品でもあります。
しかし確かな物語がそこにはあります。そしてどちらにも共通の要素がもう一つありまして、それは青春の物語であるということです。正確に言えば、青春を取り戻す話と言ったら良いのでしょうか?
まぁ、詳しくは個別の感想の方で。
「葛代斉下(くずしろさいけ)は、将来の夢も特別な能力もない、どこにでもいる、ごく普通の中学三年生。
平凡で退屈な毎日を過ごすサイケだったが、ある日、幼なじみの蜜柑が事故で死んでしまう。
絶望したサイケが池に飛び込むと、蜜柑が事故で死んだ”今日”がまた始まった。
蜜柑を救うべく、問題の”今日”を繰り返すサイケだが?」(一巻裏表紙のあらすじ原文まま)
うえきの法則、タッコク!!!の福地翼サンデー13年目の新連載は時間ループ物、しかしミステリーやサスペンスなどではありません。ミステリーのように推論を立てて結果を変えようとしますけど、その手法自体が大事ではない。
ともあれ、要約すれば「何の取り柄もない主人公が幼馴染を死という未来から救うためにあれやこれやと頑張る話」がサイケまたしてもです。
...と、普通のファンタジーなら「主人公の力が超つえーんだぜ!」とか、ループ物なら「主人公の推理能力が高くて!」みたいな話になると思います。でも、なりません。
前述したように主人公のサイケは何の取り柄もなく、平々凡々で将来の夢もなければ日常に退屈しているけれどそれに甘んじる逃避型主人公です。持っているのは「池に飛び込むと今日をやり直す能力」だけ。体に九狐を飼ってもいなければ突然死神にもなりませんし井戸に落ちた先で紫紺の玉を集めることにだってなりません。
人と満足にコミュニケーションを取ることもできず、人には自分から話さない、また向こうから話してくれるようなもの...言い訳ばかり揃えたエクスキューズ塗れの主人公、それがサイケです。
そんな主人公が、人と、自分と向き合っていく物語。サイケは今まで耳を塞いでいた手を、誰に差しだすのか、何のために手を広げるか。特別でも何でもない自分なりに泥にまみれながらもその手で、心で、何かをしようと決意する。そんなカッコよさがサイケの魅力だと思います。
はっきり言って地味な作品ですし、派手さも薄い。華麗なアクション、明晰な頭脳、女の子がたくさん、主人公の過去には大きな陰謀が...!そんな要素は一切ありません。
しかしどこにでもいる普通でただの中学生で、ぶっちゃければ駄目人間な彼だからこそ、その姿、心、涙は胸を打つものがあります。
一巻でメインの話となる幼馴染を死から救うこと自体は、一巻で話が終わります。出てくる要素を綺麗に編んだ漫画でした。
続きがどう続くのか...そこは今後の不安であり、期待するところであり、ワクワクするところですね。
退屈塗れの日常でも心意気次第で青春へと変わる、そんな心地よさのある作品でした。
- 相田裕/イチゴーイチハチ!
イチゴーイチハチ!(1) (ビッグ コミックス〔スピリッツ〕) (ビッグコミックス)
- 作者: 相田裕
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/03/30
- メディア: コミック
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BC『イチゴーイチハチ!』コミックス公式PV - YouTube
GUNSLINGER GIRLの相田裕の新連載は、感受性豊かな思春期真っ盛りの高校生たちの物語。
だいたいの内容はPVが説明してくれています。夢を見つけられない少女と、夢を諦めきれない男の子を中心とした彼らの青春ストーリー。舞台は高校、特に生徒会。生徒会に入った新入生の男女二人が主人公です。
通常、青春ストーリーと言えば部活に打ち込むであるとか、高校生をやり直すであるとか、まず第一条件として何かのめり込むものがあるのが大半でしょう。
しかしこれにはそれがない、ないのがスタート地点なんです。
自分を熱中させるものを探す少女、夢に破れた訳でも追い続けられる訳でもない宙ぶらりんな男の子。これは先ほどのサイケ以上にどこにでもいる思春期の物語です。
はっきり言ってしまえば地味、とんでもなく地味な作品です。漫画的な効果線、非日常などはほぼありません。読んでいてなんか落ち着かないなと思ったら効果線などの視覚的な技法があまり取られていないんです。
連載誌はスピリッツ。対象年齢も考えると納得です。
ならば地味だから面白くないか?それはもちろんNO。
等身大の高校生が誇張なく見られるというのは稀有な経験だと思います。スポーツ男児に立ちはだかる怪我、揺れ動きやすい思春期の心の追い求める夢や目標、もっと言えば充実感。
そう言った精神的なもの以外でも「なぜか生徒会や部室にあるもの」だとか、高校生らしさ(だらしなさや輝く姿等もひっくるめて)を個人、生徒会という組織(システム)を通して一緒に経験できるので、大変地味ではあるけれど真っすぐで手堅い漫画であると思いました。
彼らの青春を手にする、または取り戻そうと頑張るその姿は、思わず背を押したくなるようでありました。
相田さんの作品はGUNSLINGER GIRLの前半部分までしか読んでないのですけど、以前よりずっと丸くなっていて読みやすくなっていると感じます。以前非日常だった相田さんが日常を描く、なんとも突然の転向にはびっくりしましたが今回も面白そうでしたので安心でした。
ここまで二作品の感想を稚拙ながら述べさせていただきましたけど、公式サイトから一話無料で読めますのでぜひぜひ。百聞は一見に如かず!自分の感想よりずっと魅力が伝わるんじゃないかなと身も蓋もないことを思っとります。
この等身大ストレートなこの両作品、かつて子どもだった大人にこそ読んでほしいなと思います。