マジックへ飛び込んでみよう!第09回 (スタック編)

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マジックへ飛び込んでみよう!第08回 (能力の種類) - 遠S足払い遠S

 

今回は、スタックに関しての話です。

おおざっぱに言えば、使ったカードや効果の割り込み、それらを解決する時の注意事項みたいな感じです。

遊戯王でいうところのチェーンに近いものがあります。

スタックとは何か…マジック初心者がほぼ必ず聞くことになる、「灰色熊」と「ショック」と「巨大化」の物語を添えてお送りします。

 

公式サイトやwikiでもスタックの記事はありますのでより詳しく知りたい方はこちらを。。

スタックとそのトリック|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

スタック - MTG Wiki

  • スタックとは?

先も説明したように、遊戯王でいうチェーンに近いもので、「マナ・コストを支払い使ったカード」や「起動、誘発した能力」が解決を待つ専用の待機列です。 

手札から使ったカードや、起動/誘発した能力はここに置かれることになります。

また、スタックの特徴は2点あります。

1.カードや能力は後から使われたものが、先に使われたものの上に乗る。(後のものはどんどん上に積み重なる)

2.実際に解決をする際に、後から乗ったものから解決される逆順処理

また、ほとんど「能力」は「カード」や「処理」はこのスタックに乗った後解決される(乗らない選択肢がない)ただし一部例外あり

 

また本格的に記事にするのは今後にしますが、「優先権」についても軽く説明します。

 

  • スタックの積み方

スタックには後から使われたカード、能力がどんどん上に積み重なります。

例えば私がAというカードを使ったとしましょう。

私は相手に何かありますかと聞きました。

相手はBというカードを使いました。

すると私のAの上に相手のBが乗りました。

対戦相手はさらに私に何かありますかと聞いてきました

さらに私はCというカードを使い、スタックには「(一番下=最初に使われた)A、B、C(一番上=最後に使われた)」という順番でスタックが積まれています。

こうやってお互いに「相手の効果が実際に解決される前に動く」ことでスタックが形成されていきます

 

またここで「私はカードを使ったからその効果を解決するね」と一人でゲームを進めないように注意しましょう。

相手が何か動くかもしれませんし、相手には何かあったのであれば動く権利が保障されています。

メインフェイズから戦闘フェイズに移りたい、このカードを使いたい/解決したいなど……実際のゲームを進行するにあたってお互いに「なにかありませんか?」という確認を忘れないようにしましょう。

大雑把ですが、こういった優先権(何か動く権利)の確認が非常に大事です。

 

  • 逆順処理

人によっては聞き慣れない単語だと思います。

しかし読んで字の通り、逆から順番に処理をするというものです。

つまり「スタックに積まれた順番とは逆に解決を処理する」ことです。

スタックの積み方では、A、B、Cがスタックに乗っていました。Aが最初にスタックに積まれ、Cが一番最後に積まれました。

このスタックは逆順処理を行った場合、スタックに積まれた順番とは逆に解決を処理する

この場合スタック順のA、B、Cとは逆のC、B、Aの順で解決します。

まぁ簡単に言えば、後出しじゃんけんのようなものです。

 

  • 「ショック」と「灰色熊」と「巨大化」の物語

具体的な話をしましょう。これは、スタック(そして逆順処理)を初心者の方に説明するために、世界中で多くのプレイヤーが話したであろう三枚のカードの話です。

 

私は「灰色熊」を場に出しています。そして手札には「巨大化」を持っています。

そして対戦相手…便宜上あなたとしましょう。あなたは手札に「ショック」を持っています。

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私は「灰色熊」であなたを攻撃しました。このままではあなたは灰色熊のパワー、2点のダメージを負ってしまいます。

私はあなたに「灰色熊」の攻撃が届く前に、事前にパワーをあげておこうと手札から「巨大化」を「灰色熊」に使いました。スタックに「巨大化」を乗せます。

私はやることがないので、あなたに「何かありますか?」と訊きます。

このまま「巨大化」が解決されれば、「灰色熊」のパワーはあがり、あなたは5点ものダメージを受けてしまいます。

しかしあなたは手札から「ショック」を「灰色熊」へ使いました。「巨大化」の上に「ショック」がスタック積まれます。

あなたは「なにかありますか?」と私に訊き、私も「何もない」ことを確認しました。

お互いに何もないことがわかったので、実際に解決へ移ります。

まず一番上に乗っているあなたの「ショック」が解決され、タフネスが2の「灰色熊」は倒れてしまいます。そのあとに私の「巨大化」が解決されようとしますが、対象とした「灰色熊」はいませんので、効果は不発に終わりました。

こうしてあなたは5点もダメージを受ける危機を回避しました。

 

では、「ショック」と「巨大化」を使う順番が逆だった場合は?

あなたは「ショック」を私の「灰色熊」へ使いました。スタックに「ショック」が乗り、あなたは私に「何かありますか?」と確認します。

私は「巨大化」使い、スタックへ乗せました。「ショック」の上に「巨大化」が乗り、私もあなたに「何かありませんか?」と訊き返しました。

そしてお互いが何もないことを確認して解決します。

先に私の「巨大化」が解決され、「灰色熊」は5/5になりました。

その後にあなたの「ショック」が解決されますが、タフネスが5になっている「灰色熊」は倒れません。しかもあなたは5点ものダメージを負ってしまったのでした。

 

  • 心に留めてほしいこと

これらは、最初は難しいかもしれませんが、「相手が動いたときに自分にも動く権利が回ってくる」と思えば問題ありません。その権利…優先権をお互いに確認しあうことが大事です。

初心者だからといって焦る必要はないので、相手の進行が速いなと感じた時は「すみません、先ほどのところ動きたかったのですが」と言って平気です。逆に相手が同様のことを言ってきた際には、快く受けてあげましょう。

マジックは対戦するゲームですが、プレイを通してコミュニケーションをするゲームでもあります。

経験年数などは関係ありません、お互いフェアに、気持ちよくプレイするためにもこういったこんがらがる部分は確認を怠らないようにしましょう。

これは優先権以外にも、相手のカードの効果が知りたい時、ルールで不明瞭なことがあったときなどもいっしょです。

 

  • まとめ

スタックは、「マナ・コストを支払い使ったカード」や「起動、誘発した能力」が解決を待つ専用の待機列。

 

一部を除いて、多くの処理やカードや能力はスタックに乗ったのち、解決される。(例外はある)

 

スタックは「カードや能力は後から使われたものが、先に使われたものの上に乗る」、「後から乗ったものから解決される=逆順処理」。

 

解決が始まる前に動く権利がお互いにあるので、何か動く、動いたら相手にも「なにかありませんか?」と確認しよう。

 

 

優先権は色んなところで発生するのですが、細かく話すとターン起因処理、状況起因処理、誘発型能力など際限なく話してしまうので、そこは割愛。

いずれ色々話終わった際に書くとでもしましょう。

 

次回色々考えたのですが、すっかり忘れていた「土地」の話をします。

※次回土地の話はしていません。(04/19追記)

 

次回

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