今期アニメを見始めた感想

季節も変わり春。アニメも冬アニメが春アニメのクールに突入しましたね。

今更ながらですが今期アニメを見始めまして、二本見たのでその感想でもと思いまして。感想(チラ裏)であり、まだ見てない人への紹介もできたらと。

 

1.プラスティック・メモリーズ

 

 あらすじ。

心を持ったアンドロイド<ギフティア>の普及した少し未来の世界(だと思う)。

ギフティア事業を世界規模で展開するSAI社に就職した主人公(実は就職に失敗してコネ入社)、ターミナルサービス課...ギフティアの回収を担う部署へと配属される。

ギフティアは九年ほどで記憶や人格に破綻をきたすため回収が必要だとか。そこではギフティアと人間のツーマンセルで回収事業を回している。

ところが主人公と組むギフティアがいない。そこで相棒として白羽の矢が立ったのは、ギフティア回収数ナンバーワンだったが今はお茶組みなどの雑務を担当しているアイラだった。

相方も決まったものの二人を待ち受けるのは...ギフティアと家族の思い出を引き裂く仕事だった。

 

オリジナルアニメ作品です。心を持ったアンドロイドと人間の感情のやり取りをメインにした感動作品と言った感じでしょうか。

キャラクターも可愛く、雰囲気も出ている作品です。

 

  • 見どころ

まずキャラクターが可愛い、声優さんたちも今をときめく(やや死語だろうか)方を起用されています。可愛いキャラクターたちの織りなす時に可笑しく、時に哀しい、そんな感情に洗われる作品と言って良いでしょう。

雰囲気物としても中々に及第点で、恥ずかしながら一話にして少し泣いてしまいまして。ギフティアたちはいずれ寿命がきます。それを回収しなければいけない、つまるところ家族との仲を引き裂くことになる。その哀しさもしっかり描写できています。

売り出したい方向性と内容がうまくマッチングしているので、キャラクターから入っても、雰囲気物として入っても面白い作品となっているのではないかと思います。舐めてかかると、小気味良いギャグやキャラクターたちの感情の波に足を掬われます。

しかし、その奔流に身を任せるのも悪くない。見切った時、今度は自分の感情の津波に自分自身が溺れてしまうことになるのではないかと。

 

  • 弱点

この作品の設定...たとえばギフティアなどにはオリジナリティが、もっと言えば必然性はありません。友人曰く、「この作品ができるまでの時間軸や歴史はない(大意)」そうで。その通りだと私も思います。

心を持ったアンドロイド、言葉だけ聞けばSF的ではありますが、ジャンルはあくまで雰囲気物。メインはキャラクターたちのやり取り、ギフティアには寿命があるということが重要です。

ギフティア、心を持ったアンドロイドである必要性、必然性は皆無。ギフティア(出てくるキャラクターの一部)は普通の人間より短命であるという言い訳が必要なだけで、事実描写としてもアンドロイドであることなどは意味を為しません。命が九年もすれば終わるもの、そのためのエクスキューズです。

また世界の描写など、主人公たちを取り囲む要素も全て意味を為しません。そのため歴史も、世界も、何も作品には影響しません。というかそもそもありません。

すべてはキャラの話に終始するでしょう。雰囲気物を食いあきた人間、世界を見たい人間、作品をまるっと全部楽しみたいという人には不向きなのではないかと思います。

心を持ったアンドロイドなのだから、アンドロイドの人権を主張する人間たちくらいいてもいいものではないかと思います。しかしそんなものはない、ロボット三原則なども一切出てきません。なので間違ってもSFとして見るのはお勧めできませんね。

あともう一点、割とアンドロイドであるにしても、主人公が素人であるにしてもやや描写がおかしいシーンがある。なので本当にアンドロイドは言い訳なんだな程度の見方ができなければ一気にシュールさが増します。

 

  • 総評

ギフティア(アンドロイド)と人間との少し悲しい物語、そう言った雰囲気の作品としてはかなりベター。入門にも良いのではないかと。悪くはない。端的に言えばキャラ物&雰囲気物。

キャラクターに終始すれば良い物語ではあるが、作品の世界観であるとかアンドロイドと人間の種族さを掘り下げるかどうかなど、そこらへんの魅力に関しては突っつくだけ時間の無駄でしょう。

 

2.血界戦線

 

 

 あらすじ。

3年前ニューヨークだった都市は、現在、異界と現世の交わるヘルサレムズ・ロットという霧に覆われた街に変わっていた。この2つの世界が交わる魔都において、世界の均衡を保つ為に暗躍する秘密結社・ライブラが存在した!(公式サイトの前回のあらすじより引用、ジャンプSQ.2015年5月号時点)

 

かの、トライガンで名を馳せた内藤泰弘の新作がボンズの手によってアニメ化!

今度の作品は、異世界と現実世界の交差点、元は紐育と呼ばれていた都市ヘルサレムズ・ロットを舞台とするファンタジー。

非日常が日常の都市で、異常なほど平凡な人間のレオナルドはひょんなことからライブラに入ることに。

レオナルドの非日常は加速する!メーターを振り切る心地よい内藤イズムに酔いしれろ!

 

  • 見どころ

はっきり言って、全てです。映像、キャラクター、キャスト、音楽、雰囲気、面白さ、全て自分からすれば太鼓判の大盤振る舞いです。冗談抜きで最高のアニメに仕上がっていると思います。

映像で言えば、内藤泰弘独特の描写を映像でも尊重した上で作られています。テレビから流れてくるキャスターとコメンテーターのやり取り、ピザの配達、必殺技を叫ぶシーン、随所に内藤氏リスペクトが盛り込まれており、内藤先生ファンは大満足ではないかと。

キャストや音楽に関しても、手放しで評価ができます。ここら辺は宣伝などの兼ね合いもあるのですけど、しっかりと実力のある方を違和感のない役にキャスティングしています。ツンデレキャラでない釘宮さんが聞けたのは嬉しいですね。坂口さんに関してもそうです、以前やっていたキャライメージにキャスティングが引っ張られることも間々ある中で違和感ないキャスティング、感銘いたしました。

音楽に関してもユニゾンスクエアガーデンなど有名バンドであるものの作品の内容にマッチングした音楽があがっています。エンディングは特に大好きですね。

非日常の日常、小気味良いギャグ、言葉だけでなく行動でも見せる描写や説明、全てグッド。それでいて内藤先生らしさをしっかりと出せているので文句なしの出来だと思います。

 

  • 弱点

アニメや漫画でもいいですが、メジャー作品をメインとして摂取してきた人にはやや不向きな作品であるのではないかと。そもそもの設定の、ファンタジーと現実の交差点というのが感覚で掴める人でなければ中々に置いてけぼりになります。

誤解を恐れず言ってしまえば、咀嚼、解釈能力がない人...作品を見ながらタイムレスに情報を符号させることができる人でなければ途中下車かジェットコースターに乗っている感覚ではないでしょうか。

なぜかと言えば言外の情報があまりに多い、描写がさらっとしすぎているので置いていかれる、そういうことだと思います。

多くの作品は分かりやすく作ってあります、この作品も例外ではありません。ただしその説明のベースは青年誌に読み慣れた人向けである印象です。読んできた/見てきた作品のベース世界が異世界か現実世界かの二択しかない人には説明不足に感じられます。その二択の中間点、なんとも曖昧なところに舞台を置いている訳ですから。

他にも能力、世界、重要ワードなどのそれら断片情報を瞬時に符号することが間々求められるのではないかと。普通、作品の中で特定のキーワードが出てきた際に説明が薄ければ「今の単語何?」と疑問に思います。しかし世界観と照らし合わせれば答えは見えなくもない、けれどそんな風に頭を使う必要性は通常の漫画やアニメではありません。なのでこれを持ち得ないのも普通かと思います、なのでややハードルは普通の作品より高い。

これは友人たちの談ですけど、いろんなキャラクターが出てきたり出来事が起こったりするので焦点が合わせにくいとのことで。

しかし映像は素晴らしく、キャラクターたちのやり取りも大変に面白いものです。分からなくても、流しで見ることは不可能ではないかと思います。実際に知人がやっていたようなので。

ただし情報のパッチワーク、ありのままを是認するスキルに長けるのであれば、この弱点は一気に魅力と化します。

 

  • 総評

やや視聴者にとってはハードルの高い作品。スルースキル、情報を照らし合わせるスキルなどが求められるかも。

しかしそれさえクリアできれば、魅力が一段とあがる作品。

個人的には最高の出来だと思っているのでぜひ見てほしい。

 

 

 

そんな感じでした。他にもまだ俺物語なども気になっているのでチェックしたいですね。映像作品としては今ドラマでやっているアルジャーノンに花束をも一話見たので、後日その感想でも書けたらと。

四月に入って大変いい映像作品に出合えているので嬉しい限り。春は出会いの季節というのは本当ですね。

春、四月と言えば今月末は自分の好きなメバエの発売日なので、個人的な特集記事でもまた後日書けたらなと思います。

今回はこの辺で。