次にくる雑誌

次にくるマンガ大賞をご存じでしょうか?その名の通り、次にブームがきそうなフレッシュな漫画たちを集めたランキングです。今回一位に輝いたのは我らがジャンプの僕のヒーローアカデミア(堀越耕平先生著作)

創設されて日が浅いランキングながら、その中身は中々に実があるものと一漫画読者として期待しているものであります。

でもここでちょっと待てよと。漫画、特に単行本を知る機会は増えた。ネットの普及とSNSの隆盛により個人発であれ企業発であれ、新作と出会う機会はとてつもないほどに増えました。

しかしながら漫画の雑誌そのものを知る機会はないのです。自分は漫画に多少なりとも精通しているからいい。しかしあまり明るくない人にとっての出会いのきっかけは個人発の情報による出会いが多くを占めるのではないかと。

そして私はいい雑誌はもっと読まれていて欲しい、知っておいてほしいという願望もあります。

なので自分なりにこの雑誌はいい!というものを紹介していけたらなと思います。

(実は漫画というものを単行本以外の形でも楽しんでもらえるような紹介記事というのは考えてるんですけど、それはまた次の更新にでも)

 

今回紹介したい雑誌は、これです!

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漫画で言えばサンデー、コロコロコミックなどを出している小学館が打ち出す新気鋭雑誌、ヒバナです。

昨今新創刊の流れはあれど、一昨年や去年にあれだけ(自分が知っている漫画雑誌だけでも15はくだらない数の)雑誌が休刊に追い込まれた冬の時代を経て新創刊というのは、胸が熱くなります。

閑話休題、それではヒバナの魅力や長所について書いていきたいと思います。

 

  • ヒバナの系譜(読み飛ばし可)

ヒバナには実は前身になる雑誌、IKKIというものがありました。

かれこれ長く続いており、かの有名な「ぼくらの」(アーンイーンストールを知らない方は少ないはず)の原作の連載や、土星マンションドロヘドロ、金魚堂古書店など個性的な連載を抱える著名青年誌でありました。

しかしこれが昨年に休刊...だけど連載作家などを一部引き継ぎ新創刊します!という小学館の発表が。

そう言う訳で去年の休刊から一年しないでIKKIの魂を受け継いだヒバナは新創刊と相成りました。

 

  • 雑誌について

ヒバナの連載は非常に綺麗です。画風や作風は全体として柔らかく、読みやすさがピカイチ...雑誌の対象者は女性向けであると思います。

しかし女性向けだからと男性の方も侮るなかれ。連載作品の発想の柔らかさや独自性、雑誌としてのジャンルの幅、そして何よりメディア展開の力は新雑誌の中ではピカチ。

作品もコメディチックでもある昭和モダンな笑わない男とお祭り男の話や、クラブハウスで出会うガールミーツガール、ロボットの父さんとヤンキーで馬鹿な息子のギャグ漫画、三十路OLが美味しそうにご飯を食べる飯テロ漫画...ととにかくなんでもござれ。

個人的にどれもこれも好きですし、それと同時にいろんな連載があるというのはやはり雑誌として評価が高いです。

更に問題の集客力、もっと言えば知名度ですけど、これにも太鼓判を押せます。

SNSなどのwebでの宣伝もあり、試し読みもボリューミー(連載が面白いというのもあるけど)、などもあり宣伝力は中々のものです。ツイッターにも一時期(今も?)広告としてプロモツイートを出していました。

何より、一番大きいのはwowowで今度ドラマが放送される早乙女太一松山ケンイチ主演の「ふたがしら」の存在でしょうね。元より女性向けの雑誌であるし、ふたがしらで集まった女性客の心をがっちりと捕えられる連載をしています。

歴史ものということで、さよならハヰイドランジアなど受けが良いのではないでしょうか。

総括としては、個人的に、客観的に見て大変満足できる雑誌ということでしょうか。

 

  • お勧めの連載

試し読みしかしていない自分がお勧めというのも恥ずかしいのですけど、試し読み段階でいくつかお勧めだと思ったものをピックアップしてみます。

リンク先はすべて作品紹介ページですが右の方にあるリンクから試し読みが可能です。

 

西尾雄太/アフターアワーズ

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まずやはりこれを出さねばなるまい。なにやら別名義で色々活動してらっしゃった方なのでしょうか、商業デビュー初らしい西尾先生のアフターアワーズ

ミラーボール輝くダンスクラブで出会った女の子と女の子のガールミーツガール、百合作品です。

光の濃淡が非常に繊細な方で、光と闇の使い方が非常に非常に上手い方ですね。とりあえず読んでみて欲しい、そうすれば分かる!

百合作品としては社会人百合ということになるのでしょうか?絵柄は柔らかくどんな百合スキーさんであれ気に入るかと思います。

関係性の匂わせ方や描写などは随一です。改めて百合の良さとは何かを改めて感じさせて頂きました。

めっちゃにやにやしますのでぜひぜひ。絶対単行本出たら買います。

 

加藤望/さよならハヰドランジア

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昭和モダン、大学生で遊び人の公太は大衆演劇(レビュー)に夢中、レビューをしよう!必要なのは美男子だ!と意気込む彼の前に現れたのは...?

かわいらしい男の子が好きな方はぜひご一読を。学生服やYシャツに羽織という大変フェチズムをくすぐられる作品となってます。

ギャグとしても明るく楽しそうであり、キャラクター作品としての十二分なポテンシャルを持っているどこに向かっても打ち出せる強みを持った中々タフな連載かと。

 

伊藤静/三十路飯

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ご飯ものが流行りですけど、これもまたいいものです。

仕事に打ち込んで生きてきた三十路OLが美味しそうにご飯を食べてくれます...。

これを読んだら少しひっかけに行きたくなること間違いなし!

ご飯は元気の源、元気になると笑顔になる、そんなOLや食客たちのご飯に同席してみませんか?

 

いくつか作品を紹介してきましたけれど、実はまだまだ紹介し足りないくらいです。他にもシリアス、親子コメディなどなど魅力ある連載がたくさんです。

そんなわけで、今後くる雑誌の一つとして、新しい出会いとして、雑誌のヒバナ、いかがでしょう?

 

P.S.ヒバナは今月で第二号が出ました!(先月が記念すべき第一号)まだまだ追いつくのも容易いのでそこもまたお勧めですよ!